広島の「知」の拠点として
活動の基本方針
● 国際平和文化都市・広島の「知」の拠点
広島平和研究所は、世界平和の創造・維持、地域社会の発展に貢献することを目指し、広島市立大学の附置研究機関として1998年(平成10年)4月1日に設立されました。世界で最初の核兵器による被爆を体験した都市としての歴史を背景に、学術研究活動を通じて、核兵器の廃絶に向けての役割を担うとともに、地球社会が直面する諸問題の解決にも寄与し、世界平和の創造・維持と地域社会の発展に貢献する国際的な平和研究機関を目指します。
● 市民、そして世界への情報発信
広島平和研究所は、国内外における研究機関と積極的に連携してネットワークを構築することにより、平和研究の発展に寄与します。学術研究の成果は、「国際シンポジウム」、「研究フォーラム」および「連続市民講座」等の開催や、紀要『広島平和研究』、『広島平和研究所ブックレット』等の出版物により市民に広く公開しています。また、ウェブサイトやニューズレターなどにより、活動状況を随時、世界に向けて情報発信しています。
● 教育への参画
大学院・平和学研究科の教育を担当するとともに、学部教育では、「平和研究Ⅰ/Ⅱ」、「広島・長崎講座」として開講している「平和と人権A (ヒロシマと国際平和)」、「広島からの平和学:実践の方法」、「平和インターンシップ」、「国際化時代の平和」、夏期集中講座「HIROSHIMA and PEACE」、そして「歴史学」、「法学(日本国憲法)」の各講義を研究所教員が担当しています。
学部担当科目紹介
◎「ヒロシマ」を考える
被爆体験を語り継ぐ現場でのフィールドワークとグループワークを通して、原爆被害を語り継ぐ方法を模索します。講義では、まず原爆被害を知るために、広島平和記念資料館の見学、被爆体験伝承者講話の聴講、平和記念公園のフィールドワークなどを行います。その上で、原爆被害のなかでも相対的に語られてこなかった被害に焦点をあてたグループワークを行い、現在の社会的・文化的枠組みにおける課題を発見し、考察する力を養います。
◎広島からの平和学:実践の方法
広島における平和の取り組みは、被爆体験を出発点としつつ、世界の多様な課題にも目を向けてきました。本講義は、広島の平和の取り組みに関心を持つ1、2年次を対象とし、広島の経験を生かして平和活動を実践するための具体的な方法論を学ぶことを目的としています。広島平和文化センター主催の市民向け平和講座「ヒロシマ・ピースフォーラム」と連携し、被爆体験の継承や平和の実践活動を行っている学外の専門家から学びます。最終レポートでは、自ら参加可能な実践活動案に関する提言をまとめます。
◎平和研究Ⅰ/Ⅱ
広島平和研究所教員による国際学部向けのオムニバス形式の講義です。[Ⅰ]では、現代の世界において平和を創造するために何が求められているのかを学問的に追究するために、平和研究に関する基本的な概念や枠組み、方法論を修得するとともに、当分野における問題点、課題などを学びます。広島・長崎をはじめとして戦争体験に根差している地域の視点を主眼に据えつつ、国家から個人に至るさまざまなレベルから平和を創造するためのアプローチを考察していきます。[Ⅱ]では、平和および紛争研究の具体的な事例について、広島平和研究所各教員の研究成果を参考にしながら学び、現代の国際社会が直面する課題について考えます。
歴代所長/HPI Successive Directors
◇ 現所長 Present Director
2019年4月1日~ 大芝 亮 OSHIBA, Ryo
◇ 歴代所長 Previous Directors
2013年4月1日~2019年3月31日 吉川 元 KIKKAWA, Gen
2011年4月1日~2013年3月31日 浅田 尚紀 ASADA, Naoki(広島市立大学学長が事務取扱)
2005年4月1日~2011年3月31日 浅井 基文 ASAI, Motofumi
2001年4月1日~2005年3月31日 福井 治弘 FUKUI, Haruhiro
2000年4月1日~2001年3月31日 藤本 黎時 FUJIMOTO, Reiji(広島市立大学学長が事務取扱)
1999年4月1日~2000年3月31日 田中 隆荘 TANAKA, Ryuso(広島市立大学学長が事務取扱)
1998年4月1日~1999年2月19日 明石 康 AKASHI, Yasushi
Institute Policies
The Hiroshima Peace Institute (HPI) was established on April 1, 1998, as a research institute affiliated with Hiroshima City University.
Located in the city that experienced the first atomic bombing in human history, the institute aims to develop into an international research center that can, through academic research, contribute towards nuclear abolition, the resolution of global issues, the realization of sustainable global peace, and the development of local communities.
It is also our aim to create ties with other peace research institutions, both within and outside the country, for the purpose of developing peace studies. At the same time, we widely disseminate research outcomes to society through public lectures, symposiums, publications and other means.